皮膚科図譜・44・45
遺傳性汎発性色素異常症(遠山・市川・平賀)/Paget氏病
笹川 正二
1
1東大皮膚科
pp.685-686
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201309
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16歳女子。両親に血族結婚なく,同胞5名,その他血族に色素異常症を見ないと云う。現在の色素異常は4,5歳頃にその存在に気づかれた。以後漸次著明となり,現在に至つた。現症:顔面を除き全身に米粒乃至小豆大,大小不同,濃淡種々な褐色々素斑及び色素脱失斑が混在し,皮膚は細かな小紋模様を呈している。躯幹では胸腹部よりも背部,就中腰部から臀部へかけて病変著しく,四肢では手背,前膊の順に病変高度となり,遺伝性対側性色素異常症が末端に変化が著しいのと逆であり,又伸側と屈側ではむしろ屈側に著しい点も特異である。腋窩,肘窩,膝膕は変化著しくない。遺伝関係判然しないが,遺伝性汎発性色素異常症Dyschromatosis Universalis hereditaria(遠山・市川・平賀)と認める。
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