Japanese
English
綜説
脳血管造影法に於けるピラセトン及びウロコリンの使用
On the application of Pyraceton & Urocolin in angio-encephalograpby
植田 隆
1
,
泉 汎
1
,
光信 昌明
1
,
田中 敏夫
1
,
位藤 昇三
1
Takashi UEDA
1
1大阪大学医学部第一外科学教室
1The 1st surgical department of Osaka University medical school
pp.107-112
発行日 1956年2月20日
Published Date 1956/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201767
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私共の教室では,脳血管造影法を実施する様になつてから,未だ日が浅いが,過去の経験を通じ最も悩まされる問題は,鮮明な像を得んとする為の努力と,副作用の強弱及び其の発現瀕度とが比例する事である.即ち造影剤の濃度を高くし,急速に注入すればする程,確実な鮮明像を得るが,それに伴う副作用が強くなるのである.
70%ピラセトンは常に鮮明な像を得る事が出来るが,注射直後の痙攣,注射後の一過性昏睡状態を伴う事が多い.吾々は造影剤注入の直前より,チオペンタールソーダの静脈内麻酔,或はエーテル吸入麻酔を施行しているが,この様な不愉快な副作用を防止する事は出来なかつた.遂に一例(第VI例)に於て,術後昏睡状態五日間持続,凡ゆる療法を試みるも覚醒せず遂に死亡すると云う憂目を見た.
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