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海外トピツクス
pp.496-497
発行日 1954年8月1日
Published Date 1954/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201259
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腎臓の副交感神経,特に迷走神経の支配領域に就いて
他の腹部臓器と同様に腎臓が自律神経の支配を受ける事は一般に認められている。そして腎臓へゆく副交感神経として,迷走神経があり,交感神経は太陽神経叢から発すると考えられている。しかし,特に腎臓と迷走神経との関係を追究すると必ずしも定説通りではない。
生理学者の研究は必ずしも一致した見解を示さない。分泌神経としての神経支配よりも最近では血管運動的に働くと考えられるようになつた。迷走神経が腎内血管に対して收縮的に作用するという結論を述べた生理学者がある一方,拡張的に作用する事を実験的に認めた学者もある。むしろ迷走神経は腎臓に対して血管收縮的或いは拡張的に作用する繊維を送らないとさえ言う事が出来る。
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