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水溶性ビタミンAによる尋常性痤瘡の治療經驗
弓削 順三
1
,
堀江 徹也
1
1順天堂大学医学部皮膚科教室
pp.494-495
発行日 1954年8月1日
Published Date 1954/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201258
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緒言
尋常性痤瘡の治療は現在まで多数の方法ならびに成績が発表せられているが,何れも充分なる効果を挙げ得たものは余りないようである。ビタミンAに依る治療に関しては1923年加藤泰氏が脂溶性ビタミンA,「ビオテスリン」により本症を治療し優秀な成績を発表しており,最近にては昭和28年樋口,菊池,村上氏等の有効であつた報告をみる程度であるが,欧米に於ては1943年Stranfjordが1日10万単位のビタミンAを9〜18ケ月間投与することにより100例中3例を除く全例に病変の消失若しくは改善をみた,と云う優秀なる成績を発表して以来,Saunder, Obermeyer, Frost, LynchCook, Combes,等の追試報告があり,大多数は可成り優秀な治療方法であることを述べているが,反対にMitchel, Butterworthの如く効果不明である,と述べているものもある。
我々は最近水溶性ビタミンAの大量を本疾患に使用する機会を得たので,次に我々の治療経験を簡単に述べる。
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