特集 性病
軟性下疳—鑑別診斷と療法
横山 硈
1
1慶應義塾大學醫學部
pp.652-654
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200856
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鑑別診斷
(1)硬性下疳
潰瘍面は平滑で淺く,硬結を觸れ,その分泌物は漿液性でスピロヘータパリダを證明し得る。疼痛も比較的輕微のことが多く,通常は單發して潜伏期は約3週間である。加之これに併稜する横痃は硬く,無痛で決して化膿しない。猫硬軟兩下疳に於ける下疳發生數の問題,即ち單發及び多發ということは唯兩者を比較して言われることで,鑑別の一つにはなり得るが然し決して重要な鑑別據點ではない。たとえば軟性下疳に就てこれらに關する二,三の統計を調べてみると吹の如くである。
新潟醫大(橋本喬)1コのもの52.O%2コ以上のもの47.9%満洲醫大(橋本満次)1コのもの84.6%2コのもの12.7%3コ,4コ,5コ,各0.9%慶大(渡邊,平野1))單發男764例(63.56%)女28例(50.91%)計792例(63.01%)多發男438例(36.44%)女27例(49.09%)計465例(36.99%)即ち結局單發の方が多發症例よりも多い。但し渡邊,平野の統計に見る如く,女子に於ては男子に比して遙かに多發症例が多く,單複略同數となつているがこれは女子陰部の解剖學的關係から見ても當然斯くあるものと思う。
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