特集 性病
淋疾の血清診斷
丸山 千里
1
,
近喰 利光
1
1日本醫科大學皮膚科
pp.632-635
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200852
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緒言
診斷の立場よりみるとき,淋疾の血清學的意義は他の性病のそれに比べて限られたものと言える。即ち急性期には菌の證明が容易であり且つペニシリンの普及は,その早期高單位使用により急性淋の大部分を終始血清陰性のうちに治癒せしめ,慢性淋,上昇淋の診断と治癒判定に際し,菌検索陰性を示す場合にのみ,血清診斷が有力な補助診斷法となるからである。然し我々は嚴格な菌検索により治癒と見做された者が,補體結合反應陽性のため觀察中,尿道炎の再發或は淋菌性副睾丸炎を起した例を屡々經驗している。
斯かる意味で血清反應特に補體結合反應は推奨に値するものと思う。
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