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特集 性病
最近の第四性病—鼠蹊淋巴肉芽腫症
Lymphogranuloma (-tosis)inguinale(-is),-Li :Lymphogranuloma venereum L.v.
篠田 倫三
1
1船員保險東京中央病院
pp.655-658
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200857
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はしがき
淋疾,梅毒,軟性下疳に次ぐ性病として,鼠蹊淋巴肉芽腫(症)—第四性病が擧げられる。本症は一種のVirus病であつて,頑固なそけい淋巴腺炎即ち横痃を主症状とするが,その晩發症として,とくに女子に於て屡々慢性陰部潰瘍その他の陰部肛門直腸症状群を呈するものとして知られている。
本症が一般の注目を惹くにいたつたのは最近1/4世紀のことであるが,欧洲の古い文献によれば,中世紀或はそれ以前から既に存在していたことが伺がわれる。南方との交通の繁しい港灣地區やその方面に航海する船員などに濃厚に認められ,熱帯性疾患とされていたが,それ以外の地方にも散在性に認められた。氣候性横痃,ストルーマ様横痃と呼ばれたものゝ多くがそれである。
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