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痛覺に關する研究
朴 己出
1
,
玄 釆龍
1
,
崔 暻達
1
1朴外科醫院
pp.544-547
発行日 1952年11月1日
Published Date 1952/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200832
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緒論
疼痛を除去する事への希求が醫學の原始的創成を可能ならしめた事は人類史の明らかにする所であつて疼痛を治癒せしめる事は治療醫學の大牟の目的を意味する。特に手術的分野に從事する醫師に封する患者の切實な哀願は疼痛の除去であつて近代手術學の發達が無痛法と消毒法の發見によることは説明を俟つまでもない。余等は常に此の命題に悩まされ此の命題に憑かれ此の命題を極めるべく注意してきた。元來感覧生理學は未解決の分野が多くそれが精神病學的分野の影響下にある部分も少なくない關係上余等の如き臨床籔のよく研索し得る範團に入らない。然し余等は此の十數年間疼痛を相手として働いて來た経験に基いて痛覺對すにる一つの見解を抱き小實験を以てそれを裹づけることを得た。即ち痛覺は生理的感覺から除外すべき性質のものであつて生理的範園内における刺戟に對しては痛覺のための特殊受入器は存在しない。
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