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所謂原發性女子尿道結核に就いて
奧井 重敬
1
,
增田 圭喜
1
1長野赤十字病院皮膚科
pp.548-550
発行日 1952年11月1日
Published Date 1952/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200833
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緒言
泌尿生殖器結核は管内感染を來す一つの系統的な疾患であり,而もその原發病巣は主として腎臓,前立腺或は副睾丸で,尿管,膀胱,尿道並に精嚢結核はその殆んどが績發性のものであると考えられているのが今日の常識である。從つて原發性膀胱結核や尿道結核の存在に就いては議論の存する所であるが,臨床的に泌尿生殖器並に隣接臓器に何等の結核性病變がなくて,膀胱或は尿道にのみ限局して結核病變を發見することは極めて稀であるが,確に存在することは否定出來ない。吾々は最近偶々諸種の検索に於て泌尿器には勿論,隣接臓器にも全く結核性病變を發見し得なかつた所謂原發性女子尿道結核と思惟される一例を経験したので,その概略を報告すると共に二,三の考按を加えて見たいと思う。
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