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皮膚感覺及び感覺性蕁麻疹(Urticaria sensoriata)に就いて
朴 己出
1
,
玄 釆龍
1
,
崔 璟達
1
1朴外科醫院
pp.722-723
発行日 1952年12月1日
Published Date 1952/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200875
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- 文献概要
著者の1人である光本(朴)は1942皮膚と泌尿誌に於いて,蕁麻疹を中毒性蕁麻疹と過敏性蕁麻疹とに區別し,過敏性蕁麻疹を過敏症性蕁麻疹(Allergische Urticaria)と感覺性蕁疹(Urti-caria sensoriata)とに分類した。感覺性蕁麻疹とは觸蕁麻疹或は,人工蕁麻疹(Taste-urtica-ria or Urticaria factitia),温蕁麻疹(WärmeUrticaria)及冷蕁麻疹(Kalte Urticaria)を總稱することを提出したものである。當時光本は「温,寒,及機械的刺戟(壓と痛)に對して,蕁麻疹を發生する皮膚の如き」と記載してあるが,之は皮膚の生理的感覺に痛覺が存在するとの在來の考えから,痛覺を觸覺と同一の範疇において考慮したものである。しかるに余等は最近痛覺に關する研索を重ねる内,皮膚の生理的感覺は觸,温,冷,の三種であつて,痛覺は病的感覺として,之を別の範疇に入れて考慮すべきであるとの見解に達したのである。即ち今日まで吾人が經驗した物理的刺戟による蕁麻疹が觸,温,冷の三種によるものであつた事實と皮膚の生理的感覺とが一致する事を發見するものである。
痛覺に關する論文は之を別稿として發表しておるが其の要點を擧げることにする。痛覺のための刺戟を検討するに,其は必ず,障害をもたらす形における刺戟或は病的現象に他ならない。生理的環境又は生理的状態は決して痛覺を惹起しない。
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