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海外トピツクス
pp.509-511
発行日 1952年10月1日
Published Date 1952/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200822
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進行せる前立腺癌の物質代謝性療法
前立腺癌の女性ホルモン療法の發案者であるWilliamP.Herbstは,最近その10週年を迎えるに當り進行せる前立腺癌の抗男性ホルモン療法を中心とする物質代謝性療法(metabolic management)の趨勢を述べると共に自己の意見を次の様に述べている。
前立腺癌は外科的に剔除すべきであると言う點に關して今日論爭の餘地のない處である。たゞ根治手術の適應症の判定に關しては問題がある。Colstonは手術不能の患者にdiethylstilbestrolを投與して手術を可能にしたが,Herbstは患者が不快でなく自己の活動をなし得る間は除睾術も女性ホルモンの投與もすべきでないと考えている。排尿障碍のある際には勿論經尿道的切除術を施行すべきであり,患者の全身壮態が不充分であり又衰弱に傾く際には除睾術が適應する。たゞ患者が除睾術を好まない場合及び患者に診斷を打ちあけないで治療して行くには女性ホルモン療法がよい。Mungerの施行した放射線療法による去勢術は外科的除睾術よりも效果が不確實であるが,患者が手術を好まない時にはなすべき療法である。
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