--------------------
内外文献抄録
三浦
,
井田
,
宗
,
蔡
,
松井
,
岩田
,
淺井
pp.512-520
発行日 1952年10月1日
Published Date 1952/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200823
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
皮膚科
外國文献
成年および思春期における頭部白癬
思春期以後に發生した本症の57例を報告,うち成人にみられたものは39例で,それらにっき年齢,性,罹患年齢,期間,經過および經過中における内分泌系の影響等につき檢討を加えている。著者の經驗によると思春期以後に本症をみることは必ずしも稀ではなく,テキサスにおいては過去20年間にみられた本症例中5%を占めている。このうち髪内性白癬菌が82%を占め,菌種別ではTrichophyton tonsuransが91%で,全白癬菌中87%,全症例中73%の高率を占める。本菌による場合の臨牀像は甚だ變化にとみ,少くとも一般の頭部白癬に類似することは先づないが,さればと云つて他の慢性皮疹を思わせる像を呈することもない。從て本症を診定するための唯一の手掛りは,罹患病巣の鱗屑ならびに病毛であり,鱗屑は時とすると二次的炎症によるものと誤認し易いおそれがある。WoodのライトはTrichophyton tonsur-ansによる場合,診斷的意義はない。治療は一般の頭郎白癬における如く局處治療に期待はもてない。唯レントゲンによる抜毛(390〜410γ)或は手で克明に鱗屑および毛髪の斷端等を取除くことが非炎症性感染の場合に一應適當な治療と云うことが出來る。(S.Lewis Pipkin-Arch.Dermat.&Syph.66:9,1952)
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.