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海外トピツクス
pp.288-289
発行日 1951年6月1日
Published Date 1951/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200534
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その後の癩治療劑
Loweは,プロミン,ダイアゾン,サルフェトロンは體内にて水解し,Diaminodiphenylsulfone(D.D.S)として作用するものと考え,且つ癩治療に要するD.D.S.の最低血中濃度は1.0mg%あるいはそれ以下であると推定し,副作用の起らない程度の少量にD.D.S.を用いて,この程度の濃度を得るか否かを檢し,1日0.3gの經口投與によつて見事その目的を達した。彼の主な目的は,現在のD.D.S.誘導體プロミン,ダイアゾン,サルフェトロンによる癩の治療費は比較的高價であり,癩の多い熱帶國民にとつては負擔が大きいので,それを輕減しようとする點にあつた。彼は重症の結節癩に最初2週間は0.1g,次の2週間は0.2g,次いで0.3gの經口投與を行つたところ,6〜12カ月後には臨床上輕快をその患者數の72%,菌の減少を62%に見た。すなわち,臨床上の效果はサルフェトロン,ダイアゾンより早く現われ,菌の減少は同様である。CochaneはD.D.Sの落花生油懸濁液(25%)1回5.0〜7.0ccを週2回筋注して良效果を得ている。
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