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海外トピツクス
pp.385-387
発行日 1954年6月1日
Published Date 1954/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201229
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腎臓結核
J.Cosbie Rossは腎結核患者の予後に就て,英国のMedical Research Councilで集めた症例で今次大戦前1937年から1938年迄の2年間の症例268例と,戦後1947年から1948年迄の2年間の症例454例,計722例に就ての比較を行つた。又1949年から1952年の3年間Mr.Gowに依つて集められたWrightington Sanatoriumでの症例と自分の集めた症例を合せた,165例に就ても比較した。前者即ち722例の集計は化学療法以前のものであり従つて治療は外科的療法及びサナトリウム療法に依つたもので,後者の165例は化学療法の発達した今日のもので,外科的療法,サナトリウム療法,化学的療法を併用したものである。
先づ腎結核で治療された患者を次の5つの型に分けた。即ち,1)腎実質内に初期の微少の病巣を持つ所謂Preclinicalの型,2)偏側腎結核+膀胱炎+腎剔除術のもの,3)両側腎結核+膀胱炎+腎剔除術又は部分的腎剔除術のもの,4)腎剔除術後の膀胱炎+残腎腎結核のもの,5)両側重症腎結核のもの。之等の型のうち1930年代の2年間では第1型が5.6%であるのに反して1940年代のものでは8.4%に増加している。之は腎結核に対する早期診断の進歩に依るもので此の傾向は特に男子に強い。
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