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海外トピツクス
pp.628-629
発行日 1959年6月1日
Published Date 1959/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202580
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実験的毒性及びアレルギー性接触皮膚炎に於けるヒスタミン含有量の化学的研究
この研究に於ては,モルモツトの皮膚に1-Chloro-2,4-dinitrobenzeneを作用させることによつて,正常モルモツトに原発性炎症を,感作したモルモツトにはアレルギー性炎症をおこさせ,その各々のヒスタミン含有量と組織学的変化について検索し,アレルギー性皮膚炎の場合のヒスタミン増加の過程と,その役割について,1つの仮説を下している。
この方面の最近の研究で,Inderbitzinは,アレルギー性皮膚炎に於ては,正常の400%,ツベルクリン反応部位では,48時間後700%のヒスタミンの増加を来たしたと報告している。且つ単核細胞浸潤がアレルギー反応に於て見られるから,ヒスタミン増加の原因が,それらの細胞にあるかもしれないと云つている。しかし,彼の研究には2つの欠点が存在している。即ち対照として,炎症性細胞浸潤を起していると認められる非アレルギー性病変部位のヒスタミン測定を行つていないことと,ヒスタミン測定を,感作したモルモツトの廻腸でbioassayにより行つたことである。前者は,白血球が多量のヒスタミンを含んでいることから必要であり,後者は,強い滑平筋賦活体であるserotoninの影響が存在していると考えられるからである。
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