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Lichen Vidal,Prurigoの分類私案
伊藤 實
1
1東北大學醫學部皮膚科教室
pp.493-498
発行日 1949年12月1日
Published Date 1949/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200281
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神經皮膚炎,各種痒疹等は診斷分類上古くから論議の盡きない病類で,その間の消息は落合氏が體性29卷9,11號に譯述解説された所から窺われ,DarierすらPrécis de Dermatologieの第3版と第4版(1928年)とでは分類學的見解がかなり動揺して居り,Jadassohnも晩年(遺著Derm-atologie 1938年)にはBroeq,Besnierに倣つてPrurigo,Neurodermitisを同一病類に編屬せしめて居る。即ちWillan以來約1世紀,Cazenave,Hebra等の掻痒,皮疹の先後問題を中心として堂々廻りに終始して居る。余は茲に敢えて分類私案を掲げて卑見を述べて諸家の批判を期待する。
臨淋的觀察 余はこの範圍の疾患に於ける臨牀的診斷の困難に對し,昔ながらの規矩を固執して,Vidal苔癬は皮野單位を終始堅持する丘疹であり,痒疹とは皮野に拘泥せず粗剛に觸れる小結節を原發疹とする頗る素朴な形態的規準(よく言われる樣に前者は視疹,後者は燭診)で先づ概別し,是に配置,經過等を參酌して表掲(第1表)の如き分類の下に一應診斷に臨んで居る。
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