動き
学会認定医(仮称)制度に関する私案
猪瀬 正
1
1横浜市立大学
pp.89-91
発行日 1968年1月15日
Published Date 1968/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201289
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まえおき
日本精神神経学会に専門医制度委員会ができたのは昭和32年のことであつた。それは,他の学会に比べて非常に早い出発であつたが,不思議なことに,その委員会は最近にいたるまで開店休業であつた。委員会のできた経緯はよくわからないが,当時はこんにちより以上の“精神病院ブーム”があつて,精神科以外の医師が精神病院をつくつて院長としておさまるという風潮がめだつていた。そこで,学会は,少なくとも精神病院長は専門家でなければいけないと考えて,専門医制度を確立して,医師法や医療法の改正まで考えたのであろうと思う。このような事態は,こんにちにおいても変わりのないことははなはだ残念なことである。
しかも,他の学会(小児科,脳神経外科,麻酔学科など)では,われわれよりさきに,“認定医制”を定めて,すでに発足してしまつた。内容はともかくとして,それは大英断であつたと思う。
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