Japanese
English
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Prurigo uratica及びCheilitis uratica
PRURIGO URATICA AND CHEILITIS URATICA
西山 茂夫
1,2
Shigeo NISHIYAMA
1,2
1東大医学部皮膚科
2関東逓信皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo University School of Medicine
pp.1113-1118
発行日 1965年11月1日
Published Date 1965/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204218
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I.はじめに
痛風に伴う皮膚変化として痛風結節は余りにも有名である。過尿酸血症により真皮または皮下組織に尿酸塩の結晶が沈着し,これに対する異物性肉芽腫が痛風結節である。普通発病より10-20年を経過し,関節の変形を生ずる時期,即ち急性痛風発作のない慢性の時期に出現する(症例の40—50%20))。痛風結節は耳殻(Helix)に数mmの小結節として生ずることが最も多く(80%),診断的価値がある。次いで趾指関節またはこれに近く,皮内の結節として見られる。皮下に尿酸塩の沈着することは稀であるが,この時は手背に生ずる。腱鞘に沈着する時は嚢腫状を呈する。
痛風結節については今迄皮膚科領域でも若干の記載があり,ここに詳述する必要はないが,痛風結節以外の皮膚変化については記載が少ない。古来論議の中心は,痛風と湿疹との関係であり,痛風発作毎に湿疹の悪化した例1),痛風の治療により湿疹の治癒した例18)があり,Kromayer15)は"痛風湿疹"の特徴として,1)慢性化の傾向が強い,2)罹患部位の特徴として,間擦部のほかに外耳道,眼瞼,頸部が挙げられ,背中,大腿では局面性である,3)再発傾向が強い,点を挙げている。またCmunt4)は乾燥性の湿疹及び肘頭,膝蓋,手掌,足蹠の角質増生が有意義な特徴であるが,確実な病因的関係は不明であるという。最近では糖尿病患者と同じ様に,痛風患者は"湿疹になる傾向が強い"と表現されている7)。
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