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結核腎剔出後瘻孔形成防止に就ての綜説
北川 淏
1
1日本醫科大學
pp.136-140
発行日 1949年3月1日
Published Date 1949/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200169
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泌尿器外科に於て腎結核程屡々遭遇する疾患はない.腎手術の大部分は結核と云つても過言ではなからう.その手術も少し經驗を積めば2,3の例外を除いて決して難しいものではない.然し手術後瘻孔を殘さないで治すと云ふ點になると,誰しも自信を以て之にあたる事は出來ないであらう.泌尿器外科に携る者の必ず苦勞する問題である.從つてその解決に就いては,古來數多くの研究發表があり.之を本邦文献のみに就いても枚擧に暇ない状態である.
私も亦十數年來些か之に對し關心を持ち色々檢索を行った.最近この瘻孔形成の最大の原因は剔出時無意識的に起う腎門部附近の結核性淋巴腺の損傷挫滅にある事を確信し,腎門部附近淋巴腺結核の病理學的研究の概要を一昨年以來泌尿器學會總會忙於て發表した.更にそれを基礎とせる手術に對する新しい考案を昨年十二月雑誌手術第2卷第12號に發表した.その後手術例を重ね滿足す可き結論に達したので再び記載し同學諸士の御批判を乞ふものである.
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