特集 抗血栓療法—日常臨床での疑問に応える
Ⅳ.脳卒中に対する抗血栓療法
心原性脳塞栓症に対する抗血栓療法—急性期治療と二次予防はどうするか?
本田 有子
1
,
平野 照之
1
1杏林大学医学部脳卒中医学教室
pp.672-679
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200425
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Point
・心原性脳塞栓症は脳梗塞の27.7%を占め,年々その割合は上昇している.心原性脳塞栓症は粗大な血栓の飛散により重症度が高く,転帰も不良な傾向がある.
・脳主幹動脈閉塞は治療開始まで一刻を争う場合が多く,治療法として機械的血栓回収療法が主流となった.血栓溶解療法としてアルテプラーゼが主体であるが,効果の側面から今後tenecteplaseの導入が待たれている.
・頭蓋内出血の発症率の高い日本人にとって,心房細動による心原性脳梗塞発症予防に対するDOACは,ワルファリンよりも安全性・有効性に優れた薬剤であることが示されている.
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