特集 どう診る? 急増する非結核性抗酸菌症,見逃せない結核
Ⅱ.非結核性抗酸菌症 各論
質量分析法による非結核性抗酸菌の同定
大楠 清文
1
1東京医科大学微生物学分野
pp.194-202
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200544
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Point
・近年,非結核性抗酸菌(NTM)の新菌種が急増している.2022年1月現在,194菌種(13亜種)が記載されている.
・日常検査におけるNTMの同定は,マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析計(MALDI-TOF MS)を用いる方法が主流となりつつある.
・ただし,MALDI-TOF MSにも技術的な課題があり,系統的に類縁のコンプレックスやグループに属する菌は,菌種レベルとしてスコア値の高い菌種が複数菌存在するので,コンプレックスやグループとして報告されることがある.
・NTMという大きな枠組みでの病態把握ではなく,MALDI-TOF MSによって同定された個々の菌種と病態との関係を明らかにしていくことが今後の重要な課題である.
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