検査説明Q&A・31
結核菌と非結核性抗酸菌の鑑別はどのようにしたらよいですか?
昆 亜紀子
1
,
上遠野 保裕
1
1慶應義塾大学病院臨床検査科
pp.1422-1425
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201432
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■鑑別の意義
結核菌の感染経路は空気感染(飛沫核感染)である.感染が成立する病原体の数は10個以下と感染力がとても強く,その病原性の高さなどから感染症法において二類感染症に分類されている.一方,非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria:NTM)は病原性が低く,ヒト-ヒト感染はほとんどないとされているものの,近年その罹患率は結核に匹敵するほど増加しており問題となっている.
以上のことから結核菌とNTMの鑑別は,院内感染対策などの感染制御の観点からみてとても重要であり,使用する抗菌薬が異なるため抗酸菌症の診断・治療をスムーズに行ううえでも必要である.
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