技術講座 細菌
抗酸菌の同定法
高橋 昭三
1
1結核予防会結核研究所細菌血清学研究科
pp.971-976
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201749
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検査室での抗酸菌の同定は,長い間,結核菌とRunyonのI〜IV群に分類することであった.分離株をこれに当てはめてゆくと,非病原菌が混入してくるので,それを除外することが必要となる.病院検査室では,分類学の研究室と違って,病原菌の分類同定のみが可能な方法を持っているにすぎず,非病原菌をそれに当てはめることはできない,つまり非病原菌の同定をやる機能は持っていない.ここに述べる同定法は,そんなわけで,分離抗酸菌を,人の疾患と関連のあるものに限定することから始めている.細菌検査室は,生化学そのほかの検査室に隣合っているので,そこのスタッフの知恵も借りて,能率よい検査法を選ぶべきであろう.今回紹介する方法は,病院検査室のためのものであるが,細菌学的にも十分批判に耐えるものである.簡単に言えば,分離された株が,既知の病原菌であるか,あればどの菌種かを検するもので,関係のない非病原菌は,できるだけ除外した(表1参照).
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