特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター
3.遺伝子診断の実際
12) 感染症 (8)結核菌および非結核性抗酸菌
前田 伸司
1
,
小林 和夫
2
Shinji MAEDA
1
,
Kazuo KOBAYASHI
2
1(財)結核予防会結核研究所抗酸菌レファレンスセンター結核菌情報科
2国立感染症研究所免疫部
キーワード:
結核菌
,
病原体遺伝子検査
,
培養検査
,
塗抹染色
,
病原体診断
Keyword:
結核菌
,
病原体遺伝子検査
,
培養検査
,
塗抹染色
,
病原体診断
pp.1507-1510
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101446
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はじめに
世界では約20億人(人類の1/3)が結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に既感染(ほとんどは無症候性潜在性結核菌感染),毎年880万人(罹患率人口10万対:140)が結核を発病,200万人が死亡している.日本(2005)1)では年間2.8万人(罹患率:22.2)が結核を発病,2,300人(死亡率:1.8)が死亡し,結核は単一病原体感染症として,人類に甚大な健康被害を与えている(表1).英国および米国の罹患率は,それぞれ12,4.9であり,日本の罹患率はその約2~5倍で,日本はいまだに中蔓延国である.薬剤耐性結核(特に多剤耐性や超多剤耐性)やヒト免疫不全ウイルスと結核の重複感染は世界に共通な結核増加要因である.すなわち,国内外を問わず,発生動向から結核対策は重要な課題である.
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