特集 肺高血圧症 ガイドラインとニース会議提言を紐解く
Ⅱ.PAH治療のポイントを紐解く
成人先天性心疾患に伴う肺高血圧症治療のポイント
波多野 将
1
1東京大学大学院医学系研究科重症心不全治療開発講座
pp.619-626
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200305
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Point
・先天性心疾患による肺動脈性肺高血圧症(CHD-PAH)はシャント修復後の残存PAH,シャント未修復のPAHに分類され,シャント未修復のPAHはさらに非Eisenmenger PAHとEisenmenger症候群に分けられる.
・シャント修復後のPAHであれば特発性/遺伝性PAHに準じた治療を行う.
・シャント未修復のPAHの場合には,シャント口閉鎖が可能であれば閉鎖を行う.肺血管拡張薬の飛躍的な進歩,および経カテーテル的シャント口閉鎖術が可能となったことにより,シャント口閉鎖の適応は拡大傾向にある.
・Eisenmenger症候群においてはシャント口閉鎖は禁忌であり,肺血管拡張薬による治療を行う.Eisenmenger症候群に対する初期併用療法の有効性は明らかではなく,逐次併用療法を行うのが良い.
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