Japanese
English
綜説
先天性心疾患の肺高血圧症
Pulmonary hypertension associated with congenital heart disease
門間 和夫
1
Kazuo Momma
1
1東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所小児科
1Departmert of Pediatric Cardiology, The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.554-562
発行日 1982年6月15日
Published Date 1982/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204004
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
先天性心疾患に合併する肺高血圧(PH)は,心室中隔欠損症(VSD)や動脈管開存症(PDA)など左—右短絡性心奇形では欠損孔が大きいことを示し,このような疾患群では乳児期に心不全や肺合併性を合併しやすく1,2),重症である2)。これらの疾患の開心手術成績は最近目立って良くなり,現在では必要に応じて乳幼児期に積極的に手術されるようになった。しかしひとたび器質的な肺血管閉塞病変(PVO)を生じると,手術後もPHとPVOが残り,手術後1年ないし10年の遠隔期に心不全を生じて死亡することもある3〜6)。PVOが高度に進行して肺血管抵抗が体血管抵抗より高くなった状態は従来Eisen—mener症候群として知られており7,8),現在でも手術不能である。
先天性心疾患特にVSDの肺高血圧の研究の歴史9),臨床像9),血行動態2,7,10),病理8)については論文と解説を発表してあり、教科書11〜17)にも記載されているので,ここでは教科書的記載を最小限にとどめ,肺高血圧の臨床的評価にあたっての問題点を中心に述べる。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.