連載 症例で学ぶ非結核性抗酸菌症・17
孤立肺結節型の肺非結核性抗酸菌(NTM)症について
朝倉 崇徳
1,2
,
中川 拓
3
,
森野 英里子
4
,
森本 耕三
5
,
長谷川 直樹
6
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2国立感染症研究所ハンセン病研究センター
3国立病院機構東名古屋病院呼吸器内科
4国立国際医療研究センター呼吸器内科
5結核予防会複十字病院呼吸器内科
6慶應義塾大学医学部感染制御センター
pp.518-523
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200176
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症例1 60代女性(図1)
現病歴:糖尿病(HbA1c 7.0%)で内服加療中.X年7月の健康診断で胸部異常陰影を指摘され,当院を受診した.CT画像では右S6に空洞を伴う結節影がみられた.T-SPOT®.TBおよび抗GPL-core IgA抗体(キャピリア®MAC抗体)は陰性であった.抗酸菌感染症・肺癌などの鑑別を目的に呼吸器外科で胸腔鏡下生検を施行した.右下葉部分切除術が施行され,迅速病理検査では肉芽腫病変を認めた.切除検体の抗酸菌塗抹検査は陽性,抗酸菌培養・MAC-PCR(Mycobacterium avium complex核酸増幅同定)検査でM. aviumが同定された.病巣は根治的に摘出されたと判断し,抗菌化学療法を行わずに経過観察とした.2年後の現在も再発なく経過している.
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