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第5章 感染症
[非結核性抗酸菌(NTM)]肺NTM症研究の現在
鎌田 啓佑
1
1結核予防会研究所 抗酸菌部
キーワード:
Mycobacterium abscessus
,
トランスポゾンシーケンス(Tn-seq)
,
気相液相界面(ALI)培養
,
難治化要因
Keyword:
Mycobacterium abscessus
,
トランスポゾンシーケンス(Tn-seq)
,
気相液相界面(ALI)培養
,
難治化要因
pp.557-561
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_557
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Summary
・近年,非結核性抗酸菌症は増加傾向にあり,なかでもきわめて強力な抗菌薬自然耐性を有するMycobactererium abscessus speciesによる感染が急増している.M. abscessus speciesはヒト-ヒト感染を起こす進化の過程にある可能性が指摘されており,将来的に公衆衛生上の重大な問題となる可能性が非常に高く,新規治療薬開発が強く望まれている.
・ゲノムワイド関連解析によって宿主側の疾患リスク因子が少しずつ明らかになってきているが,菌側の因子は依然としてよくわかっていない.
・より病態理解を深めるためには,適切なin vitroもしくはin vivo感染モデルの基盤構築が必須である.気相液相界面培養などの技術によって適切な気道上皮モデルを構築するだけでなく,トランスポゾンシーケンスなどの技術を用いて自在に遺伝子機能解析を行うことによって新規治療標的を探索している.
© Nankodo Co., Ltd., 2024