特集 消化管疾患と感染の最前線
結核、非結核性抗酸菌(NTM)による消化管感染症
大川 清孝
1
,
佐野 弘治
1大阪市立十三市民病院 消化器内科
キーワード:
消化管疾患
,
結核-消化管
,
消化管内視鏡法
,
非結核性抗酸菌症
,
病態生理
Keyword:
Tuberculosis, Gastrointestinal
,
Mycobacterium Infections, Nontuberculous
,
Gastrointestinal Diseases
,
Endoscopy, Gastrointestinal
pp.911-916
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022262919
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<Headline>1 腸結核は年間200~300人と、近年減少している。診断には、内視鏡像で本症を疑うことが最も重要であり、その確定診断方法について精通する必要がある。2 非結核性抗酸菌(NTM)による消化管NTM症は、後天性免疫不全症候群(AIDS)をはじめとした高度免疫不全者に多く、罹患部位は十二指腸に最も多い。十二指腸の白色絨毛や消化管の黄白色結節が内視鏡像の特徴であり、マクロファージの集簇した特徴的病理組織像を示す。3 腸結核に類似した潰瘍を示す消化管NTM症の報告がわが国で少数みられ、主に非免疫不全者にみられる。罹患部位、病理組織像についても腸結核に類似している腸結核の重感染も完全に否定できないため、症例の集積によるさらなる検討が必要である。
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