Japanese
English
連載 医療保険制度の問題と改革への提言・11
現場からの実例・提言:セカンド・オピニオン—脳神経外科における相談料(技術料)について
Problems and Proposals from Neurosurgical Practice, No.11, in Series of Articles: Controversy and Reform Proposals concerning Insured Medical Care in Neurosurgery
山下 純宏
1
Junkoh YAMASHITA
1
1金沢大学大学院医学系研究科脳機能制御学(脳神経外科学)
1Department of Neurological Surgery, Kanazawa University Graduate School of Medical Science
キーワード:
second opinion
,
medical service fee
,
technical fee
,
hospital management
,
reform of helth care sytem
Keyword:
second opinion
,
medical service fee
,
technical fee
,
hospital management
,
reform of helth care sytem
pp.101-107
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902337
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最近「セカンド・オピニオン」を求めて外来を受診される患者が増えています.現行の診療報酬制では,医師の経験や技術料がほとんど評価されていません.研修医でもベテラン医師でも,同じクスリを処方すれば診療報酬点数は全く同額であります.同じ名前のつく手術術式であれば,専門医であろうがなかろうが,経験や技術の差は評価の対象とはならず,誰が執刀しても診療報酬点数は全く同じであります.極端なことをいえば,経験の乏しい医師が執刀して,合併症が起こればその分だけ治療費がかさみ,皮肉にも,かえって病院の収入は増えることになります.
患者さんが「セカンド・オピニオン」を求めて来診された時に,どんなに時間をかけて相談に乗り親切に説明しても,今回紹介する事例のように,患者負担額は初診料を含めて数千円以下です.われわれのように国立大学病院に勤務する医師の場合は国家公務員(文部教官)ですから,長い手術などで朝から深夜までぶっ続けに働いても,あるいは受け持ちの重症患者のために時間外に深夜まで,あるいは日曜休日に出勤して働いても,「当直医」に当たっていない限り,時間外手当は全く支給されません,文部教官ですから,「教育と研究」のみが仕事の他学部の教官と同じ給料しか支給されません.
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