時評
‘技術料重点’という改訂の中味
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pp.96
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205281
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‘焼石に水’の改訂内容
医療費の改訂は,現在では,病院という高熱重篤の患者に投与する解熱剤的色彩がだんだん濃くなってきているように思われる.それが間に合わなければ死ぬ病院も出かねない状勢の下で,2月1日からやっとその改訂が実施されることになった.しかし,改訂内容が示されたとたんに,病院の間からは‘焼石に水’という声も出ており,実質17.5%引上げという近来にない上げ幅も,今となっては病院の経済的窮状を救うのには必ずしも十分ではないもののようだ.病院の経済的失調状態がいかに深刻であるかをあらためて悟らされたような気がする.
ここまで事態を放置してきた責任は一体どこにあるのだろうか.端的に言って,その責任の大半は,やはり中医協の医療担当者側委員自身が負うべきものではないかと思う.医療担当者側には,もちろんそれなりの言い分もあろうし,支払者側委員にまったく責任がないとも言えない.しかし中医協がとにかく折衝の場であるかぎりは,そこには自ら折衝のルールがあるはずで,その点,医療担当者側委員の行動はあまりにも一方的で強引にすぎたと言える.そのあげく中医協解体論では,いくらなんでも世間が納得するはずがない.
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