報告記
10thInternational Congress on Neutron Capture Therapyに参加して(5—ALAによる脳腫瘍可視化および治療の見学)—(独,Essen,9月8〜13日)
梶本 宜永
1
,
宮武 伸一
1
1大阪医科大学脳神経外科
pp.109-110
発行日 2003年1月10日
Published Date 2003/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902338
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2002年9月8日〜13日,ドイツのEssenで開かれた第10回中性子捕捉療法国際コングレス(NCT Essen)に参加し,その後ミュンヘン,マクシミリアン大学のStummer博士のもとへ立ち寄り,5—ALAによる脳腫瘍の可視化,および光化学療法を見学したので,本誌読者諸兄に報告する.
Essen大学放射線科教授,Wolfgang Sauerwein博士を会長として,NCT Essenには世界中より約600人の脳神経外科医,放射線治療医,放射線生物学者,硼素化合物の合成に関わる化学者等が一同に会した.本コングレスは2年毎に開催され,前回は大阪で開催されている.本治療法は読者諸兄もご承知のように,棚素化合物を腫瘍細胞に取り込ませ,原子炉において中性子を照射することで,高エネルギーα粒子が細胞一個分の飛程で飛び出すことにより,腫瘍選択的に破壊するという放射線治療法であり,主として,悪性脳腫瘍に対して1950年代より米国で応用されてきた.日本では故畠中担教授が精力的に研究,治療に当たり,今や,脳腫瘍のみならず,メラノーマにも応用されている.
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