読者からの手紙
慢性硬膜下血腫とホルモンについて
松本 賢芳
1
1大森赤十字病院脳神経外科
pp.829
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901945
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近年,当院における慢性硬膜下血腫の術後再発率が増加傾向にあります.最近連続して,再発した症例の病歴について以下に簡略に記載します.
再発例は4例で,すべて男性,年齢は62-79歳でした.術後3週間から5週間以内に再発しております.既往歴に前立腺肥大症か前立腺癌(現在,再発の所見はない)があるが,いずれも手術をしており,現在は投薬のみとなっています.全例が黄体ホルモン製剤(プロスタール®)を服用しており,1例は1週間に2回合成エストロゲン(ホンバン®)の注射も行われていました.なお,血液凝固系には異常所見を認めませんでした.因果関係は不明であったが,いずれの症例も3週間の休薬(術前1週間,術後2週間)で再手術を行いました.現在のところ,再発はしていません.
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