特集 内科医として知っておくべき非がん疾患の手術
脳神経外科領域の手術
慢性硬膜下血腫
登坂 雅彦
1
,
好本 裕平
1
1群馬大学医学部脳神経外科学
キーワード:
慢性硬膜下血腫
,
硬膜下水腫
,
脳溝消失徴候
,
穿頭術
Keyword:
慢性硬膜下血腫
,
硬膜下水腫
,
脳溝消失徴候
,
穿頭術
pp.1175-1177
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_1175
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Summary
▪慢性硬膜下血腫は60歳以上の高齢者に多く,人口の高齢化や抗血栓療法の普及などにより,さらに増加すると考えられる.
▪初発症状としては,歩行障害を含む片麻痺が最も多い(6~7割).精神症状を含む認知機能障害と頭痛がこれに続く(それぞれ2~4割).
▪診断はCTで行う.脳組織と同じ等吸収域を呈することも多く,脳室系の変位や病側大脳半球脳溝の消失に留意する(脳溝消失徴候).
▪慢性硬膜下血腫の起源は硬膜下水腫と考えられており,高齢者の外傷後に厚い硬膜下水腫を見つけたら,一定期間は画像経過観察を行うべきである.
▪慢性硬膜下血腫の手術は穿頭とドレナージチューブの留置が基本である.手術侵襲が低く,超高齢者であっても行われることが多い.
© Nankodo Co., Ltd., 2020