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特集 臨床医のコモンセンス・1―内科医に必要な他科知識
脳外科
慢性硬膜下血腫
Chronic Subdural Hematoma
欅 篤
1
Atsushi Keyaki
1
1天理よろづ相談所病院脳神経外科
pp.860-861
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900591
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- Abstract 文献概要
・慢性硬膜下血腫は外傷を契機として3週から3カ月して神経症状を呈する中高年齢の男性に多い疾患である.外傷の程度は本人が憶えていないような軽微なものから全く外傷の既往のないこともある.
・症状の発現は非常に緩徐なものから,脳卒中のように急に神経症状を発現してくるものまで多様であり,高齢者で麻痺など神経症状を呈した患者をみたときには必ず本疾患を鑑別に挙げなければならない.
・CTは最も簡便でかつ診断に有用な検査である.明らかな異常吸収域なしに脳室の変形を呈している際には等吸収域の片側性血腫の存在を疑わなくてはならない.
・慢性硬膜下血腫は重度の神経症状を呈していても,局所麻酔下の穿頭術による血腫除去術で著明な改善の得られる疾患であることを念頭に脳神経外科医へのコンサルトの時期を逸してはならない.
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