Japanese
English
脳腫瘍の組織診断アトラス
(13)脊索腫(Chordoma)
Histological Diagnosis of Brain Tumors (13): Chordoma
峠本 勝司
1
Katsushi TAOMOTO
1
1兵庫県立成人病センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Hyogo Prefectural Medical Center for Adults
キーワード:
Chordoma
,
Enzyme histochemistry
,
Immunohistochemistiy
,
Electron microscopy
Keyword:
Chordoma
,
Enzyme histochemistry
,
Immunohistochemistiy
,
Electron microscopy
pp.499-506
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436900080
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I.はじめに
脊索腫は1856年Luschka1)が斜台から頭蓋内に突出、した腫瘍を記載したのが最初であると考えられるが,胎生期脊索(Notochord)の遺残組織から発生する腫瘍である事を初めて指摘したのはMuller(1858年)2)である.Chordomaという病名は1895年にRibbert3)によって命名されている.発生部位により頭蓋型,脊椎型,仙尾型の3種類に分類されるが,大部分は頭蓋底部と仙尾骨部に発生する.好発部位が限局している関係で,文献的な報告は整形外科,耳鼻科,脳神経外科領域がほとんどであるが,外国ではWang James(1968)4)の550例が最も多く,本邦では広瀬(1968)5)の67例が多い.頭蓋内の脊索腫は,大部分が斜台部に発生するが,全頭蓋内腫瘍の0.1-0.5%を占めるに過ぎず,比較的まれな腫瘍といえる.
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