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編集後記
伊達 勲
pp.668
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204249
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今月の扉には永谷哲也先生から「Festina lente」をいただいた.ラテン語の格言で,日本語では「ゆっくり急げ」という意味だそうである.一見相反する2単語が並べられているが,永谷先生のおっしゃるとおり,脳神経外科の手術では「ゆっくり急ぐ」のはとても大切な心構えである.手が速く動くのが必ずしもうまい手術ではなく,手の動きはゆっくりでも,緩急・強弱がつき,リズムが全体のバランスを取っている手術が理想だという永谷先生のご意見にまったく賛成である.
高安正和先生からは頚椎人工椎間板治療の総説をいただいた.本手術を最も多く経験してこられた高安先生ならではの,とてもわかりやすい総説である.現在,日本で使われている製品にたどり着くまでの人工椎間板の歴史と,現時点での治療成績,そして今後どのように展開していくかについての理解が進んだ.脊髄脊椎をサブスペシャリティーにしている読者だけではなく,一般の脳神経外科医にもぜひ熟読をお勧めする.
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