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編集後記
伊達 勲
pp.1048
発行日 2018年11月10日
Published Date 2018/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203864
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本号の「扉」には,堤 一生先生から「癌の見逃し」をいただいた.最近,マスコミを賑わしている医学関連ニュースの1つである.病理診断や画像診断の発達に加えて,電子カルテが一般的になったことで,担当医自身が治療対象としている疾患以外の領域の癌についてのカルテ内の報告を見逃す,というリスクはどの医療施設でも抱えている問題である.堤先生は医療安全担当として,病院内で行っている種々の工夫について,どのようにリスクを減らそうとしているかの具体例を示してくださっている.私の大学病院でも似たような案件があり,身につまされる思いである.効率よくダブルチェックを行い,癌の見逃しがゼロになるように努力したいものである.
国立循環器病研究センターの田中寛大先生からは「虚血性脳卒中の急性期管理におけるDOAC」の総説をいただいた.DOAC投与をいつ開始するか,どのDOACを使うか,抗血小板薬との併用はどうするか,血管内治療とどう組み合わせるか,など脳神経外科医が聞きたい話題を網羅した読み応えのある総説である.その他本号には,研究論文,症例報告,連載などが掲載されており,秋の夜長にじっくり読んでいただきたい.
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