--------------------
編集後記
伊達 勲
pp.1034
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203642
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今月の「扉」には有賀 徹先生から「明るい高齢社会を!」をいただいた.有賀先生は全国の労災病院などを所管している労働者健康安全機構の理事長として,増加の一途をたどる高齢患者に対する「水平連携に準じた垂直連携」を,急性期医療の大きなテーマに採りあげられている.在宅患者の日常的な治療上の連携が「水平連携」,急変時の救急搬送が「垂直連携」であるが,高齢者の繰り返す肺炎などの場合,地域密着型病院に救急搬送していくことが「水平連携に準じた垂直連携」に相当し,超高齢社会における救急医療の主体になっていくべきであると説いていらっしゃる.地域医療構想の中で,各病院は,高度急性期,急性期,回復期,慢性期のベッドの割り振りについて,将来を見越した検討に余念がないと思われるが,高齢者に対する救急体制についても地域ごとに水平連携・垂直連携の運用を十分検討することが必要だとの認識を共有していきたい.
今月号には研究2論文,症例報告4論文,教訓的症例に学ぶシリーズ3論文,および連載,と興味深い論文が並んでいる.秋の夜長に精読いただければ幸いである.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.