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編集後記
伊達 勲
pp.996
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203416
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今月の「扉」には落合慈之先生から「医療におけるトレーサビリティ確保の重要性」をいただいた.トレーサビリティと聞くと,何かが起こった時にその対象物を過去にたどることばかりを思い浮かべていたが,実は前方視的に追跡できることにも大きな意味があると知り,目から鱗が落ちた思いである.医療費対策の1つとして費用対効果の検討は重要で,トレーサビリティの確保のために医療機器・医療材料の1つひとつにバーコードなどの識別子を付すことが欧米では一般化しており,日本にもその動きが広がっているとのことである.
松前光紀先生からは総説「脳脊髄液運動の新知見」をいただいた.脳脊髄液に関する研究は松前先生のライフワークの1つである.脳脊髄液に関する古典的な考え方が変化してきている状況の中で,歴史から新知見まで極めてわかりやすく解説されている.この総説を精読して知識を整理されることをお勧めする.そのほか,本号には研究論文,症例報告,教訓的症例に学ぶシリーズに加えて,脳腫瘍の手術のための術前・術中支援の新連載がスタートしており,多くの新情報を得ることができる.
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