Japanese
English
連載 脳神経外科と数理学
(3)グラフ理論
(3)Graph Theory
下川 哲也
1
Tetsuya SHIMOKAWA
1
1情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室
1Neural Information Engineering Laboratory, Center for Information and Neural Networks, National Institute of Information and Communications Technology
キーワード:
graph theory
,
network analysis
,
fMRI
,
resting state
Keyword:
graph theory
,
network analysis
,
fMRI
,
resting state
pp.275-282
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204174
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
今回は,本誌の連載「脳神経外科と数理学」の1テーマとして,「グラフ理論」を取り上げることにする.脳神経外科領域のみならず,脳科学全体においても,グラフ理論の研究報告を目にすることが多くなってきた.特に,磁気共鳴機能画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)の発展とともに,脳活動を3次元的にミリメートル単位で計測することが可能となったこともあり,グラフ理論を用いた脳内ネットワークの研究はここ10数年精力的に行われてきた.日頃臨床に携わる多くの脳神経外科医にとって,グラフ理論の数理的な手法・解釈まではなかなか手が出ないというのが正直なところではないだろうか.
本稿はまず,グラフ理論とは何か,歴史的な背景とともに紹介し,実際にグラフ理論を使う際に必要な最低限の数理と計算方法を紹介する.そして最後に,通常のグラフ理論では起こり得ない,脳ネットワークならではの注意点を紹介する.日々の臨床・研究に生かしていただければ幸いである.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.