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編集後記
伊達 勲
pp.498
発行日 2010年5月10日
Published Date 2010/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101177
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今月号の扉には,金彪先生がご自身の研究を基に,脳神経外科医の待遇改善に何が必要かについての提言をされている.特に傾斜配分の必要性を強調されているが,この分野に造詣の深い金先生がお得意の経済学的手法を駆使して導かれた結論であり,説得力がある.本文の最後のほうに書かれているURLにアプローチすると,報告書がPDFで掲載されているので興味のある方は是非ご覧ください.小笠原邦昭先生はご自身のライフワークの1つであるCEAとCAS後の過灌流について非常にわかりやすく「総説」にまとめてくださった.ご自身のあるいは先生の教室の豊富な引用論文を拝見すると,この分野でどのように先生がアプローチし分析してこられたかが,よく理解できる.村垣善浩先生は覚醒下手術を最も多く手がけられている脳神経外科医のお一人であるが,数多くの経験からピットフォールを含めた留意点について,「解剖を中心とした脳神経手術手技」に論文を寄せていただいた.実践的な内容が多く含まれており,本手術を行う際に大いに参考にしていただきたい.
小笠原先生,村垣先生の論文を読んでいると,臨床研究はこうあるべし,との見本を示してくださっていると感じる.読者の皆様も精読いただければ幸いである.本号のその他の研究,症例報告などの論文も興味深いものが多く,読み応えがある.
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