扉
脳神経外科医のコンディショニング
川俣 貴一
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1東京女子医科大学脳神経外科学講座
pp.721-722
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203364
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脳神経外科医の諸兄姉は,早朝から夜遅くまで診療・研究・教育に没頭する生活を,ほとんど休みなしに長期間続けたご経験があると拝察いたします.また,その生活が現在進行中という方も少なくないのではないでしょうか.本邦の脳神経外科医療のかなりの部分は,個々の脳神経外科医の粉骨砕身の努力によって支えられ,成り立ってきたといっても過言ではないでしょう.
私もこういった生活を送る一方で,ここ数年,脳神経外科医のquality of life(QOL)に思いを馳せるようになりました.私がここでいうQOLとは,一般にいう患者さんのQOLとは異なります.脳神経外科医としてのQOLにはさまざまな内容を含み,1人ひとり意味合いが異なり,目標も目的も実生活の展開もそれぞれ希望が異なることでしょう.「各人が目標とする,あるいは理想とする脳神経外科医としての生活に近づくこと」をQOLの高い生活と定義できると考えます.ここでいうQOLは経済的なことではなく,脳神経外科医としての活動上の希望を指しています.医局員の方向性に責任をもつ立場になって,まず考えたのは彼ら,彼女らのQOLを高め,可能な限り希望に即した脳神経外科医としての人生を歩んでもらうということです.
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