Japanese
English
総説
痛みに対する定位脳手術
Stereoencephalotomy for Pain Relief
天野 恵市
1
Keiichi AMANO
1
1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Neurological Institute, Tokyo Women's Medical College
キーワード:
Stereotactic surgery
,
Pain relief
,
Endorphin
,
Brain stimulation
Keyword:
Stereotactic surgery
,
Pain relief
,
Endorphin
,
Brain stimulation
pp.687-695
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201531
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
痛みに対する定位脳手術というテーマは,これまで長い年月をかけて多くの研究者や臨床家が取り組んできた大きな問題であり,この問題に関する歴史的経緯と現況,さらに将来の展望ということになると,3日間程度のシンポジウムを行っても,おそらくそこにおさまりきれないほどの議論と問題提起があるであろうことはまちがいない.
さて痛みに対する定位脳手術とは一体何であろうか.通常の手段すなわち内科的薬物治療や神経ブロックなどの麻酔科的手段をもってしてもなおかつ持続する激しい痛みに対して,定位脳手術の手法を用いて治療するもの,といってしまえばいとも簡単であるが,そこには2つの大きな問題が存在する.すなわち,痛みの本質は一体何であるのかという問題,さらに定位脳手術とはどういう手術であり,特に痛みの治療において取りあげられるべき今日的意義は何であろうか,ということである.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.