Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
1965年に,treatable dementiaとしてHakim11)とAdam1)によって初めて提唱された正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus,NPH)の診断手段として,近年,次々に新しい検査法が導入されている.この結果,種々の判断基準が提示され,一方ではNPHの病態の個々の側面が明らかになりつつあると同時に,他方では,その一疾患単位としての本質的な理解が困難になってきている面も否定できない.NPHの臨床徴候および診断基準を満たしていながら,shunt手術に反応しない一連の患者群や,逆に,臨床徴候,診断基準を満たさないのに,shunt手術により症状の改善がみられる患者群が存在することも経験される.
このような事実を前にして,その定義に「髄液排除により寛解する」という1項目を付け加えることが妥当であるかどうか,更には「NPHとは何か」という定義そのものの問い直しが迫られているのが現状である.
Eighteen subjects, who were diagnosed as idiopathic normal pressure hydrocephalus in our outer patient clinic, were undergone with CT scan, metrizamide CT cisternography (CTC), radioisotope cisternography (RIC), and they were classified into 3 groups in accordance with ischemic score which had been proposed by Hachinski. Ventriculoperitoneal shunt was performed in 17 subjects, but improvement of the symptoms were obtained only in five.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.