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手術手技
頭蓋形成術—即硬性レジン法について
Cranioplasty with Methyl Methacrylate Resin
中沢 省三
1
Shozo NAKAZAWA
1
1日本医科大学脳神経外科
1Department of Neurosugery, Nippon Medical School
キーワード:
Cranioplasty
,
Skull defect
,
Alloplastic graft
,
Methyl methacrylate resin
,
Autogenous graft
Keyword:
Cranioplasty
,
Skull defect
,
Alloplastic graft
,
Methyl methacrylate resin
,
Autogenous graft
pp.919-924
発行日 1977年8月10日
Published Date 1977/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200680
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Ⅰ.はじめに
頭蓋形成術(cranioplasty)とは頭蓋の変形および頭蓋骨欠損部に対する骨形成手術である.これらのうち頭蓋骨欠損部をなんらかの硬性材料で補填しようとする試みは既に16世紀に始まり,高価な金の板を用いる補填術が好んで行われていた事実があげられている1),更に,1670年Meekren2)は,補填材料として犬の骨を採取し,人体頭蓋骨欠損部への無菌的移植に成功した.しかし,この移植骨は宗教上の理由から間もなくとり除かれる結果となったのは残念であった.
その後,消毒法の進歩に伴う近代医学の発展とともに,頭蓋形成術の分野にも著しい進歩発展がもたらされ,様々な工夫と種々の材料の選定による多くの研究がなされてきた.特に,おびただしい戦傷者を出した第2次世界大戦を契機に,頭蓋形成術の必要性は急速に高まり,補填材料に関する研究と経験が積まれたが,更に近代産業の発展に伴う労働交通災害の激増により,その需要はいやが上にも高められ,現在に至っている3-12).
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