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Ⅰ.はじめに
重篤な脳挫傷に対する広範囲減圧開頭術の効果はすでに広く認められており10,15,16,24),また脳血管障害,脳腫瘍,頭蓋内感染症やこれらに対する手術に続発する著しい脳浮腫に対しても外減圧開頭術は救命を目的とした最後の外科的手段となることはしばしば経験するところである.
外減圧開頭術により頭蓋内圧亢進の時期を脱したものは,社会復帰あるいは機能訓練に先だち頭蓋形成術を受けることになる.頭蓋形成術は古くよりその方法と材質については工夫が重ねられ,現在では比較的容易に行える手術手技であるためと,これを受けるものがすでに急性期を脱しているために,むしろ充分な関心を得ていないのが現状であるが、頭蓋形成術前後には未解決の問題が少なくないことを痛感している,外減圧開頭術後皮膚弁が著しく陥没した状態での脳機能およびこれに頭蓋形成術のおよぼす影響につき論じたものはみあたらず,また脳実質および頭蓋の急速に発育する2歳未満児における.頭蓋形成術前後の問題点,人工骨々折あるいは人工骨感染について単独の大きな症例群より論じたものも少ない.本文においては300例の経験よりこれらの問題につき検討した.
Three hundred cases of cranioplasty, following large decompressive craniectomy for various diseases, were analyzed.
1. Neurological status was evaluated before and after cranioplasty in 52 patients with remaining neurological deficit. There observed no changes in 13 patients with skin flap of full or bulging type. However, 4 (10%) among 39 patients with skin flap of sinking or flat type showed unquestionable objective improvement within a few days following cranioplasty, after stationary period of more than 2 and half months.
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