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はじめに
Sutherlandおよびco-worker達12,14)がadenosine-3′,5′-cyclic monophosphate(cyclic AMP)をグルカゴン,エピネフリンの血糖調節機構を研究していた途上で発見して以来,ホルモンの2nd messenger15)として各分野において,数多くの研究成果が報告されている18).さらにこの物質を悪性腫瘍に応用する研究は,1968年頃から報告3,4,13)されはじめ,腫瘍細胞の生長,増殖を抑制するということであった.著者らも,これが腫瘍組織の増殖を抑制することをC57 BLマウスに移植したmethylcholanthrene誘発glioblastoma 203 GLを用いて認めている26).その後1971年Hsie et aL.5)およびJohnson et al.6)がそれぞれ独立に,この物質が悪性腫瘍細胞を,その未分化の状態から分化した(良性化)方向へ変化させるとの報告をしている.われわれも神経外胚葉性起源の腫瘍,すなわちglioma cellに及ぼすcyclic AMPの効果を,おもに形態学的な面から追求して,既に何回か報告してきた31,22).このような腫瘍細胞の分化(良性化)の方向への変化と,増殖抑制効果との関係はいかなるものか.このことを解明する手段として,生長解析の而から,検討を加えてみることとした.
Authors already reported the effect of cAMP on the malignant glioma in vivo and in vitro; by the effect of 1-3 mM (But)2 cAMP, the malignant glioma cells in cultures showed benign transformation and the growth of 203 GL glioma was significantly supressed by the repeated administration of this substance for one month.
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