Japanese
English
総説
医療訴訟予防論
Preventive Theory for Medical Suits
福永 篤志
1
Atsushi FUKUNAGA
1
1慶應義塾大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery,Keio University School of Medicine
キーワード:
medical malpractice
,
suit
,
prevention
Keyword:
medical malpractice
,
suit
,
prevention
pp.891-901
発行日 2010年10月10日
Published Date 2010/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101262
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Ⅰ.はじめに
医療訴訟は予防できるのだろうか.医療事故が生じても,すべて医事紛争となるわけではない45).医事紛争となっても,そのうち裁判にまで進展するのは約10%という報告もある31).
紛争を解決し医療訴訟を予防するためには,患者側の理解と納得が得られなければならない.われわれ医療者側が具体的にどうすればよいかについては,事故後の適切な対応の重要性を説くもの1),医師-患者関係を重視するもの28),メディエーションの有効性を説くもの32),クレームへの対応を重視するもの34)などさまざまな角度からの対策が示されているが,全体をまとめて論じた報告はない.
そこで,本稿では,比較的最近の論文を引用しながら医療訴訟を予防するための具体策について論じる.
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