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はじめに
PDAとはpersonal digital assistant(個人携帯情報端末)の略で,簡単に言えば,携帯できる小さなパソコンということになります.パソコンがまだまだ大きかった時代につけられた名前のため,現在聞くと曖昧なネーミングとなってしまっています.電気店では電子手帳といわれる分類で販売されています.具体的には,SONYのCLIE,SHARPのZaurusなどの商品があります.
PDAはノート型パソコンと違い,はるかに小さく軽いため非常に携帯性に優れています.デスクワークが少なく常に動き回る医師には,まさに最適な携帯端末といえます.このPDAは,以前から欧米の医療者を中心に広く使用されていました.米国内科医会が2001年に行った調査によれば,米国の内科医の47%がPDAを使用しており,さらに全体の67%がこれから使用しようと考えているという結果がでています1).PDAは日本の医療者の間でも徐々に使われてきており,最近では医師の使用者が増えてきている印象もあります.それはPDA自体のもつ有利な点が,医者という仕事にぴったりマッチするためです.今回はPDAについてまとめてみることで,その有効性について考察してみました.2004年にthe West Virginia University School of Medicineで行われた調査によると,医学生にPDAを与えて仕事をさせたところ仕事のミスが減少したと報告があります2).忙しい日常診療にあたる脳神経外科医にとっては,PDAは仕事をよりスピーディーでかつ確実なものにしてくれる大切なパートナーといえます.
後ほど説明しますが,医療界で使用されているPDAの多くがPalm OS搭載端末のため,ここではPDAとは狭義にPalm OS搭載端末のことをさすことにします.
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